浮ひょう

密度計・密度浮ひょう

標準密度浮ひょう (JIS B 7525-1 ) 国際規格 20℃の密度計
石油用標準密度計(JIS K 2249-2、B 7525-1) 15℃の石油用密度計
0.0002 精密特殊密度計 0.02度間 目量0.0002の密度計
0.0001 精密特殊密度計 0.01度間 目量0.0001の密度計
土壌用比重計(密度計) ボイコース 土壌の密度計測に使用
6度間密度計 6度間(0.060) 目量0.001 20℃

比重計・比重浮ひょう

19本組標準比重計(JIS B 7525-3) 6度間(0.060) 目量 大形0.001 小形0.002
19本組小形精密比重計 6度間(0.060) 全長160㎜ 目量0.001
19本組標準比重計補充号 範囲0.600~0.700 1.850~2.000
7本組標準比重計(大形:JIS B 7525-3) 15 or 20度間 目量 大形0.002 小形0.005
5度間比重計 5度間(0.050) 目量 大形0.0005 小形0.001
10度間比重計 10度間(0.100) 目量 大形0.001 小形0.002
特殊比重計 いろいろな比重計
スポイド式比重計 安価 目量0.002
バッテリー用比重計セット バッテリーの比重計測に使用 スポイトとセット
バッテリー用比重計 バッテリーの比重計測に使用 比重計のみ
スポイト 主にバッテリー用に使用
軽油用・ガソリン用比重計 軽油やガソリンの比重計測に使用
特殊重液用比重計 2.000~3.000間の重液比重計
重液用比重計(重ボーメ計) 1.0~2.0比重目盛とボーメ目盛の両目盛付き
軽液用比重計(軽ボーメ計) 0.7~1.0比重目盛とボーメ目盛の両目盛付き
赤沼式海水比重計 海水の比重計測に使用
フラックス用比重計 フラックスの比重計測に使用
不凍液用比重計 不凍液の比重計測に使用
尿用比重計 尿の比重計測に使用
血液用比重計 血液の比重計測に使用
土壌用比重計(密度計) 土壌の密度計測に使用
牛乳計・乳調計 牛乳の比重計測に使用
塩水選種計(比重計・ボーメ計) 塩水の濃度を測定し種の選別に使用

ボーメ計・重ボーメ度浮ひょう・軽ボーメ度浮ひょう

10度間ボーメ計 10度間 目量0.1~
15度間ボーメ計 15度間 目量0.1
20度間ボーメ計 20度間 目量0.2~
特殊ボーメ計 いろいろな重ボーメ度計
重ボーメ計 1.0~2.0比重目盛とボーメ目盛の両目盛付き
軽ボーメ計 0.7~1.0比重目盛とボーメ目盛の両目盛付き
塩ボーメ計 塩分濃度をボーメ度で計測 0~35 
醤油ボーメ計 醤油濃度をボーメ度で計測 0~40
砂糖ボーメ計 砂糖濃度をボーメ度で計測 0~50
塩水撰種計 塩水の濃度を測定し種の選別に使用

酒精計・酒精度浮ひょう

国税庁規格型酒精計 5度間 目量0.1
10本組標準酒精計 10度間 目量0.1
5本組酒精計 20度間 目量1
3本組酒精計 30または40度間 目量1
特殊酒精計 0~50 50~100など

日本酒度計・日本酒度浮ひょう

日本酒度計 日本酒の甘口・辛口を計測

しょ糖計・しょ糖度浮ひょう

10度間標準しょ糖計 10度間 目量0.1
特殊しょ糖計 特殊な物いろいろ

トワッデル度浮ひょう

トワッデル度浮ひょう 24度間 目量0.5

浮ひょう用備品

浮ひょう専用シリンダー ガラス製・樹脂製があります
浮ひょう用スポイト 主にバッテリー用に使用
浮ひょう用ケース 300mm・160mm浮ひょう用のケース

浮ひょうについて

 浮ひょうは密度計・比重計・ボーメ計・酒精計・しょ糖計などがあり液体濃度を測定するものです。正しくは浮ひょう(ふひょう)といい、液体中に浮かべてその目盛を読むという「浮きばかり」です。 液体の密度(または比重や濃度)は一定の温度において決まっています。 液体の品質管理に浮ひょうがお役に立っています。

浮ひょうの用途
液体の密度・比重・その他濃度を測定します。
浮ひょうの特長
密度・比重・その他濃度が直読できます。
構造・操作が簡単です。
ほとんどの液体に使用できます。
精密な測定も可能です。
浮ひょうの構造
 材料はガラスです。浮力をもたせた胴部と目盛紙を入れたけい部からできています。 内部のおもりには鉛玉や水銀を使用します。 浮ひょうを液体中に浮かべて平衡したとき、液体中に沈んだ部分の体積と同体積の液体の質量は、浮ひょうの質量と等しくなります。 浮ひょうの質量は一定ですから液体の密度によって沈む深さは異なります。 一定温度で使用するならば1つの目盛以下の体積は常に一定です。 そこから浮ひょうのけい部に密度などの目盛をつけることができます。
浮ひょうの種類
・密度浮ひょう:JIS K 2249、JIS B 7525  浮ひょうにおける基本で他の目盛の浮ひょうも全て密度浮ひょうからはじまっています。 単位は「g/㎝3」)
・比重浮ひょう:JIS B 7525、JIS Z 8804 ほとんど密度浮ひょうと変わりません。15/4℃が標準で4℃以外の水を標準として目盛をつけたものは「20/20℃」、「15/15℃」などと表記します。 分子の温度で正しい示度を示します。 分母は標準とした水の温度を示します。
・重ボーメ度浮ひょう :目盛が等間隔です。水より重い液体のための浮ひょうです。
・軽ボーメ度浮ひょう :目盛が等間隔です。水より軽い液体のための浮ひょうです。
・酒精度浮ひょう:JIS B 7548 エチルアルコールと水の混合液で15℃のエチルアルコールの体積百分・率を酒精度としてつくられた浮ひょうです。 
・日本酒度浮ひょう:日本酒(清酒)の辛口、甘口の判定に用いられ、+(プラス)側が辛口、-(マイナス)側が甘口になります。
・しょ糖度浮ひょう : しょ糖液中の純しょ糖の質量百分率をしょ糖度として目盛をつけた浮ひょうです。
・API度浮ひょう :アメリカ石油協会(A.P.I.)の目盛です。主に石油類に用いられます。
・トワッデル度浮ひょう :染料などの測定に使用されています。
・牛乳度浮ひょう :乳稠計とも呼ばれ、乳製品の測定に使われています。
浮ひょうの取扱について
ガラス製なので取扱いに注意してください。
浮ひょうを使用するための器具
シリンダー(無色透明:計測の際、浮ひょうにふれないこと)
かき混ぜ棒
温度計
その他(各現場において必要なもの)
浮ひょうをつかっての測定
1 浮ひょう、シリンダーをメニスカス(液際)がきれいにでるように使用する前に十分に洗浄します。
  中性洗剤で洗い、エタノールなどを含ませたきれいな布または紙でけい部を拭きます。
2 シリンダーの中の液体は、浮ひょうを浮かべる前にかき混ぜ棒でよくかき混ぜます。
3 浮ひょうの上端を軽くつまみ液体中に静かに浮かべます。
4 静止した後、約2目盛沈めてから手を離します。
5 浮ひょうが静止した後、示度を1目盛の1/2(または1/5、1/10)まで読み取ります。
6 以上の測定を2~3回繰り返しその平均値を測定値とします。
浮ひょうの読み取り方
1 上縁視定:メニスカス(液際)の最上端を読む方法
  「上縁視定」、または「表記がない時」はこの方法で読み取ります。
        上緑視定
                上緑視定
   (上緑視定の表記があるとき、又は視定表記がないとき)
2 水平面視定:液体表面と目盛の交点で読み取ります。
  「水平面示度」の表記があるときにこの方法で読み取ります。
        水平面視定
               水平面視定
          (水平視定の表記があるとき)
浮ひょうの標準温度
 浮ひょうには15℃、20℃、15/4℃、20/20℃などの表記があります。表記がない場合は、密度は15℃、比重は15/4℃になります。15/4℃の場合、浮ひょうを目盛つけした時の温度15℃とし、4℃の水の密度を比重「1」としたということになります。
浮ひょうの温度補正
 浮ひょうを標準温度以外で測定したとき、その測定温度における液体の密度(比重)を求めるには測定値を補正します。 (密度(比重)以外のものは一度、密度(比重)の値にしてから温度補正をしさらにそれぞれの単位に換算します。)
 式: ⊿d=dα(t0-t)
⊿d:補正値
d:示度(密度または比重)
α:ガラスの膨張係数(0.000025)
t0:測定温度
t:標準温度   
真の値=測定値+(補正値)
浮ひょうの器差の換算
検査成績書などに記載されている器差より真の値を求める方法
真の値=測定値-(器差)
密度(比重)とその他の濃度単位との関係 : JIS B 8804より
重ボーメ度浮ひょう (水より重い液体のボーメ度計)
 s=144.3/(144.3-Bh)  
 s=比重     
 Bh=重ボーメ度      
軽ボーメ度浮ひょう (水より軽い液体のボーメ度計)
 s=144.3/(144.3+Bl)
 s=密度または比重     
 Bl=軽ボーメ度     
日本酒度浮ひょう     
 s=1443/(1443+日本酒度)
 s=密度または比重   
A.P.I.度浮ひょう     
 s15.56/15.56℃=141.5/(141.5+API)     
 s=比重15.56/15.56℃
 API=エイ・ピー・アイ度     
 JIS K 2249 附属書2 に密度(15℃)との換算表があります。   
トワッデル度浮ひょう
 s=(200+トワッデル度)/200     
 s=比重   
 牛乳度浮ひょう     
 s=(1000+牛乳度)/1000    
 s=比重
酒精度浮ひょう     
 JIS B 7548 附属書A に密度(15℃)との換算表があります。
浮ひょうと計量法について
計量法のなかで浮ひょうについて記載されているものは以下のとおりです。
 密度浮ひょう: 計量法 特定計量器検定検査規則 第十二章
 検定公差: 計量法 特定計量器検定検査規則 第五百六条    
  (単位はg/cm3にしたものです。)     
  目量0.0005のとき ±0.001     
  目量0.001 のとき ±0.001     
  目量0.002 のとき ±0.002
 検査液 : 計量法 特定計量器検定検査規則 第五百十六条
  (単位はg/cm3にしたものです。)
  0.650~0.700  石油エーテル、エチルエーテル、ベンジン又はこれらの混合液
  0.700~0.730  エチルエーテル、ベンジン又はこれらの混合液
  0.730~0.800  酒精とエチルエーテルとの混合液
  0.800~1.000  水と酒精との混合液
  1.000~1.850  硫酸と水との混合液
  1.600~2.000  硝酸第二水銀と硝酸との混合液
 酒精度浮ひょう: 計量法 特定計量器検定検査規則 第二十五章
 検定公差: 計量法 特定計量器検定検査規則 第九百七十七条
  (単位は体積百分率です。)
  目量0.1  70%以下のとき  ±0.3
  目量0.1  70%超のとき    ±0.2
  目量0.2  70%以下のとき  ±0.3
  目量0.2  70%超のとき    ±0.2
  目量0.5  すべてのとき    ±0.5
 検査液 : 計量法 特定計量器検定検査規則 第九百八十五条
  (単位は体積百分率です。)
  0~95   酒精と水との混合液
  95~100  酒精とエチルエーテルとの混合液
 浮ひょう型比重計 : 計量法 特定計量器検定検査規則 第十二章
 比重浮ひょうの検定公差 :計量法 特定計量器検定検査規則 第千十条 第一項
  目量0.0005のとき ±0.001
  目量0.001 のとき ±0.001
  目量0.002 のとき ±0.002
 検査液 : 計量法 特定計量器検定検査規則 第千十九条 第一項
  0.650~0.700  石油エーテル、エチルエーテル、ベンジン又はこれらの混合液
  0.700~0.730  エチルエーテル、ベンジン又はこれらの混合液
  0.730~0.800  酒精とエチルエーテルとの混合液
  0.800~1.000  水と酒精との混合液
  1.000~1.850  硫酸と水との混合液
  1.600以上    硝酸第二水銀と硝酸との混合液
 重ボーメ度浮ひょうの検定公差 : 計量法 特定計量器検定検査規則 第千十条 第二項
  (単位は重ボーメ度です。)
  目量0.1 のとき ±0.1
  目量0.2 のとき ±0.2
 検査液 : 計量法 特定計量器検定検査規則 第千十九条 第二項
  (単位は重ボーメ度です。)
  0~65  硫酸と水との混合液
  55以上 硝酸第二水銀と硝酸との混合液
 日本酒度浮ひょうの検定公差 : 計量法 特定計量器検定検査規則 第千十条 第三項
  (単位は日本酒度です。)
  ±1日本酒度
 検査液 : 計量法 特定計量器検定検査規則 第千十九条 第三項
  (単位は日本酒度です。)
  -40~0  硫酸と水との混合液
  0~30  酒精と水との混合液
 基準器について : 計量法 基準器検査規則 第二条
  浮ひょうの基準器は基準器検査を受けることができる者が主に都道府県知事(計量検定所)や
  特定計量器の届出製造事業者になります。現在では一般の方にはほとんど供給できなくなく
  なりました。